ここに一枚の絵があります。
題名は「ドラム」
那智勝浦町那智山出身の洋画家、米良道博先生が描いたものです。
この絵は町立市野々小学校の校長室の壁に掛けられています。
米良先生は明治36年11月、那智山に生を受けました。
幼少ころ西村伊作さんに水彩画を学び、大正4年、市野々小学校を卒業、
大正12年和歌山県師範学校を卒業しています。
昭和2年大阪へ出て信濃橋洋画研究所に学び、昭和4年第16回二科展に
初入賞し、以後同点に出品しています。
昭和30年に鈴木信太郎、野間仁根、高岡徳太郎ら同志と一陽会を結成。
昭和35年からは全関西美術展の審査に携わるとともに、地元、那智の滝の
絵をはじめとする風景画や静物画など数々の作品を残しました。
昭和58年3月、79歳の生涯を閉じています。
現在、那智山青岸渡寺三重塔で先生の描いた壁画を間近かに見ることが
できます。
参考文献:『日本美術年間』昭和59年版、