いやはやすごい小説である。知る人ぞ知る異色のSF作家、広瀬正の作品は今でも強烈な個性を放っている。文庫版「広瀬正・小説全集」全6巻入りました。
『エロス』 「もしあの時~していたら、・・・・」、現在と過去、そしてもう一つの過去が交錯しつつ展開する物語。最後の最後に用意されていたあっと驚く結末。さらに昭和10年ごろの世相を圧倒的な詳細(ディテール)で描くリアル。パラレルワールド小説の傑作だ。
文句なし、広瀬正の代表作『マイナス・ゼロ』。こちらももちろんおすすめ。これ以上のタイムトラベル小説はない。