子どもが本を読むことの大切さとは何か。この問いに真正面から取り組んだ本。知識が増えるから?、国語力がつくから?、そんな表面的なことではない。著者は子どもの健やかな育ちという観点から、テレビ、ゲーム、インターネットといった映像メディアの危うさにふれ、それに対しての読書の価値を説く。
「映像ではけっして代用できない読書の価値は何かというと、それは読まれる内容にあるのではなく、読むという精神活動そのものにあるということになります。読むという精神活動に含まれていて、映像メディアでは置きかえのきかないことは何かというと、それはまず書き言葉レベルの言葉を使う力であり、次に想像力であり、第三に全体を見渡して論理的に考える力だと思います。」
子どもにかかわるすべての人に読んでもらいたい本。脇明子さんの本は他に『子どもの育ちを支える絵本』がある。