天安門事件から30年。当時は中国で大きなデモが起きているんだぐらいにしか見ていなかった。6月4日未明、軍によるデモ隊への武力鎮圧によって正確には何人の犠牲者がでたのだろう。この事件を境に確かに中国は大きく変わった。いくつもの矛盾を抱えながら中国は経済大国へと変貌を遂げた。変わらないのは共産党の政治体制だけか。本書は82年生まれのルポライターが事件の関係者60人以上を取材して、語り継ぐことを許されない事件の真相に迫ろうとした労作である。事件の中核にいた民主活動家、タクシー運転手や無職で難民申請中の”持たざる者たち”、当時の在日中国人留学生、在中邦人留学生、辺境の異民族学生、香港の活動家など、身の危険を顧みず(?)さまざまな人へのインタビューで構成されている。読みごたえあり!
30年後の現在、社会の成功者として現実を選んだ者、当局の監視を受けつつもいまだ地べたから希望を描く者、人それぞれにその後の人生がある。その混とんをすべて包含しながら歴史は進んでいく。
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桃太郎話は戦前、軍国主義教育に利用された。悪い鬼どもを退治して戦利品を持ち帰り、みんなが幸せになるというくだりは、当然のこととして受け入れられてきた。それに対してこの「ももたろう」は、“たからものはいらん”と言い切る。初めて読んだとき、実に新鮮でさわやかに感じた。松居氏の本業は作家ではないが、とてもすぐれた言葉の使い手だと感心する。
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公平にものごとを決めるにはどうしたらいいか、どんな方法があるか。この本は、多数決、選挙、ジャンケン、コイン投げ、くじ引きなどを取り上げ、わかりやすく説明してくれる。公平だと思っていたことが意外にも公平でなかったりして、エエッ?と思ってしまうところも。多数決、選挙の章では、「少数意見に配慮すること」や「票が割れること」をふまえたうえで、さらに公平に決める方法をいろいろ考えてみる。なるほど、なるほど、おもしろい。学級会も、児童会・生徒会もこんなだったらいいね。
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