主人公の少年サミはじじと二人、難を逃れてアフガニスタンからアメリカにたどり着いた。敬虔なイスラム教徒のじじは民族楽器ルバーブの名手だ。そのルバーブがサミのちょっとした隙を突かれて何者かに奪われ、楽器店に売り飛ばされてしまった。サミは何とかそれを買い戻し、じじの手に帰したいと、じじに内緒でお金を貯めるための取引を始める。幾多の困難に立ち向かうサミ。そのサミの奮闘記を通して描かれているのは、アフガニスタンの人々への敬愛、紛争地から逃れてくる難民の姿、アメリカでの善意ある人たちとの出会い、そして肉親への愛・・。サミは生きるうえで真に大事なものを得る。
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- 作成者:NCL編集部
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<学校に行きたくない子は、図書館にいらっしゃい> 中学生の瀬尾草子は、火曜日から金曜日まで、図書館のいつもの席で本を読んだり、考え事をしたりして過ごす。ときどき勉強もする。土曜と日曜は混み合うので来ない。そんな草子が、はじめて図書館でレファレンスを希望した。司書の深津さんがくれたメモが気にかかっていた。「しずかな子は、魔女に向いている」その文章の出てくる本を探しています。やがて司書の深津さんから渡されたものは、白い紙の束。それは、ふたりの少女のまぶしい、ひと夏の物語だった。司書の深津さん、しずかな人、とてもすてきな魔女?・・、かもしれない。
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いやはやすごい小説である。知る人ぞ知る異色のSF作家、広瀬正の作品は今でも強烈な個性を放っている。文庫版「広瀬正・小説全集」全6巻入りました。
『エロス』 「もしあの時~していたら、・・・・」、現在と過去、そしてもう一つの過去が交錯しつつ展開する物語。最後の最後に用意されていたあっと驚く結末。さらに昭和10年ごろの世相を圧倒的な詳細(ディテール)で描くリアル。パラレルワールド小説の傑作だ。
文句なし、広瀬正の代表作『マイナス・ゼロ』。こちらももちろんおすすめ。これ以上のタイムトラベル小説はない。
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