世界各地の料理ではなく、食材そのものが迫力のある写真で紹介されている。野菜、肉、魚、どれも「食べているのは生きものだ」と頭では分かっていたが、本当にわれわれ人間はいろいろな生きものを食べているんだなと驚かされた。冒頭、モンゴルの草原で羊をいただくためにその命を奪う過程がきちんと取り上げられ、本来はこういうことなんだよと見せてくれる。食べているもので、塩だけが生きものではないのだそうだ。なるほど納得。
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帯に「問答無用の著者最高傑作」とある。今をときめく人気作家 辻村深月のしかも最高傑作とは? 確かにおもしろい作品だ。緻密で一部の隙もなく完璧に構成されたファンタジー作品というべきか。もともと大きな物語世界があり、その枠の中でストーリーが展開していって、最後にすべてのつじつまが合うといったつくりになっている。そういう意味で読者を引き込み、楽しませる作品だ。
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紀伊半島の沿岸部に住み、田畑は持たず、海を生業の場としていた私たちの先祖は、実際どのように生きていたのだろう。本書第三章「熊野海賊と南朝の海上ネットワーク」では、古座川河口の小山氏をはじめとする熊野地方で活動した海上勢力について興味深い記述がなされている。それによると、鎌倉時代、瀬戸内地域における熊野三山の荘園支配や熊野信仰の拠点を媒介に、熊野の海上勢力が瀬戸内海で海上警固の任にあたっていたという。また、南北朝時代には南朝方についた当地方の水軍が、同じく南朝に与する瀬戸内海の勢力と連合して遠く薩摩にまで遠征、戦に及んだという。さらに驚いたことに、山深い色川郷を本拠としていた色川氏が、船舶建造のための豊富な木材資源を背景に熊野灘沿岸で活発な水軍活動を展開していたという。まわりを海に囲まれた島国でありながら、これまで海民の歴史について多く語られてはこなかった。歴史を通覧する一つのおもしろい視点を得る。
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