特別養護老人ホームと宅老所の現場からの実にリアルな報告。ぼけたおばあちゃん、おじいちゃんが続々登場する。4コマまんが風のユーモラスな挿絵と明るい文章で笑ってしまうところもあるが、読み終わってみるとずしんと重い。だれにでも訪れる老いと死を身近なこととして考えさせられた。80年、90年生きた人はみんな老いる。当たり前だ。そして亡くなっていく。どのように老い、死んでいくか、思いどおりにできることではなし。できれば「ぼけ」にはなりたくない。しかし、そうなるもならないも、老いるという当たり前のこと。「ぼけに障害を与えているのは社会のほうなんだ」と言い切る筆者の言葉に救われる。
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子どもが本を読むことの大切さとは何か。この問いに真正面から取り組んだ本。知識が増えるから?、国語力がつくから?、そんな表面的なことではない。著者は子どもの健やかな育ちという観点から、テレビ、ゲーム、インターネットといった映像メディアの危うさにふれ、それに対しての読書の価値を説く。
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ある種のハチは、タマムシやゾウムシ、コガネムシの幼虫などの獲物を麻痺させてそこに卵を産みつけ、孵化した幼虫の餌にするという。獲物を仕留めるとき殺してしまっては幼虫がさなぎになるまでの間の食料にならないので、神経が麻痺する場所だけを狙って針でさすのだそうだ。また、幼虫も獲物が最後まで生きていて新鮮な餌として食べられるよう、食べる場所の順番を守ってじょうずに食べるという。小さな虫に秘められた本能の不思議に驚く。そしてそれと同じぐらい、科学者が、こうではないかと予想を立て、粘り強く観察を続けて、一つ一つ謎を解き明かしていく姿に感心する。原点は“なぜ?”という知的好奇心、こだわりだ。人並みはずれて“なぜ?”を持てること自体が、科学者の資質・才能であると思った。
図書館では、ファーブル昆虫記全8巻そろっています。
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